二年ぶりの「知床」。
知床半島をシーカヤックで巡る旅。二年前は、前後予備日を含んで一週間の旅だった。テントに寝袋、食料、水、酒たっぷりをカヤックに積んで、気の向いた浜で野営をしながら知床半島を一周するのだ。メンバーは、タカヤとマナミさん、そして僕の3人だった。念願だったシーカヤックでの知床一周の旅が実現して、舞い上がっていた僕たちは、只ただ、大人げなくはしゃいでいた。
今回はデイツアーだが、新メンバーのカズ君も加わり、彼の友人の知床のシーカヤッカー、オオノ君が急遽参加してくれて、前回気づかなかったところをずいぶんと丁寧にガイドしていただいた。前回もベタ凪だったが、今回もまた無風ベタ凪。聞き及ぶ厳しさとは裏腹に、どうして知床は僕らにこんなに優しいのだろう。
キャンプ地を5時過ぎに出発、ウトロでオオノ君と合流して、艇を出したのは予定よりも1時間早い7時だった。さぁ〜!カムイワッカの滝まで往復26kmのツアーだ。高曇りだった空も次第にオホーツクの澄んだ夏空に変わり、オオノ君の説明を聞きながら、前回見逃していたポイントをフムフムなるほどと、丁寧に眺めながら艇を進める。自由に飛び回るカモメたち。100mの断崖の頂上付近から頻繁に飛び出してくる岩ツバメ。岩の中腹に巣があるらしいオジロワシが、悠々と僕らの頭上を旋回している。知床は生き物が濃い。層が分厚いのだ。案の定、ヒグマも姿を現した。
大型観光船の波を受け、定置網の主綱(垣網)付近の水面が複雑な流れと共に水位が40〜50cm上下している、ラダーをあげて慎重に抜けようとした時、カズ君の艇が波に振られ“沈”!振り返ると、オオノ君も艇の底を見せてプカプカ浮いてる。同じところでやられたようだ。カズ君をマナミさんが、オオノ君を僕がアシストして、無事再乗艇。たまはこういうこともよい経験だ。水抜きのために、マムシ浜に上陸して小休憩。カムイワッカの滝に着いたのは、予定よりも1時間以上早かった。やはり無風ベタ凪、ゆったり漕いでも、漕速は時速7〜8kmはでてるかもしれない。滝の周りでたっぷり楽しんだ後は往路だ、五湖の断崖を今度は左手に見ながら進む。気持ちと時間にずいぶん余裕がある。ウリクラゲの発光をガキンコのように「光った!光った!」と、オヤジたちが叫びながら、気がつくとゴールのウトロの浜が近づいていた。
翌日は未明から大雨。タカヤが2日目だけの参加だったのだが、残念ながら、予定していた知床基部のツアーは断念。中止にして、テント撤収。網走二つ岩に移動して、タカヤ&マナミさん=ロールマスターたちの練習を岸から激を飛ばしながらビデオ撮影。年長者の特権なのだ。タカヤ、次回こそ一緒に漕ごうな。(僕がカメラを車に忘れてしまった為、ツアー写真は全てマナミさん&カズ君)
P.S カズ君、最高のラム肉ありがとう!
2012.8.9 - papa@tanaka-mail to:papas-design@lion.ocn.ne.jp